以下のコラムは「ゼロ金利の終焉(しゅうえん)」に関するハード・オン・ザ・ストリートのシリーズ第三弾。金利がゼロ近辺の時期に銀行を揺さぶるのは、ある意味、イージーモードでゲームをするようなものだ。金利上昇局面になると、ゲームは難易度が上がるだろう。ただし不可能なわけではない。ここ何年かで銀行業界はすみ分けが進んだ。企業の資金調達や住宅ローン組成、高速化する市場での売買、消費者金融といった分野は、いわゆる「シャドーバンク(影の銀行)」や新興フィンテック企業に移行しつつある。規制やテクノロジー、銀行自身の判断ミスがこのシフトにそれぞれ一役買っている。だが中心となる原動力は、低利の資金調達が可能だったことだ。