各国政府が脱炭素社会に向けて大きくかじを切る中、EV(電気自動車)がいま大きな注目を集めています。既存の自動車メーカーにとどまらず、IT企業などの異業種や新興メーカーからもEV市場への参入が相次いでいるほか、カーシェアリング、サブスクリプションといった新たなサービスの広がりも重なり、クルマの役割そのもの、ひいてはモビリティ産業が根本から変化しつつあります。
当連載では、EV化をめぐる海外の動き、ならびに日本企業の対応を紹介しながら、また私自身の個人的な経験も踏まえて、EV・モビリティの未来をさまざまな視点からつづりたいと思います。
テスラと私の出会い
さて、私は5年前に、当時としては珍しかったテスラ「モデルS」を購入し、たくさんの感動と、そして同時に不便も体験しました。第1回は、私の個人的な経験を振り返りながら、自動車や移動の未来に想いをはせたいと思います。
私がテスラへの乗り換えを検討したのは2017年初頭のことです。当時はいくつかのEVが市場に出ていましたが、残念ながら個人的にデザインが好みではありませんでした。そんな時にテスラを知り、クールなデザインに一目で心を奪われました。格好いい上にギラギラしていない外観は、当時のEVのイメージとは一線を画していました。