世界各国の中央銀行は、ここ何年か続けてきた著しい金融緩和政策からの出口を探すとともに、緩和策に伴って生じたインフレを抑制しようとしている。だが、それぞれ独自の道を歩んでおり、政策が経済リスクにつながる場合もある。円相場の急落はその一例だ。
28日の円相場は、外為トレーダーらがある種の「心理的に重要な」節目として注目してきた水準を一気に割り込み、一時的に1ドル=125円にまで落ち込んだ。円相場はその後123円93銭まで戻した。円相場はこの6カ月間で約12%下落したことになる。
日本の金融政策が、他の主要国と足並みをそろえられずにいることが、こうした大幅な相場変動の理由だ。米連邦準備制度理事会(FRB)は遅ればせながら英国の中央銀行であるイングランド銀行と同様に金利を引き上げつつある。欧州中央銀行(ECB)は、債券買い入れを縮小しつつある。