使わないけど捨てたくないモノが
新生活のスタートを邪魔しがち
春になると、「新年度を迎える準備」が目的の片づけの依頼が増えます。特に小学生の子どもがいる家庭からは「前年度の教科書やテキスト・ノート・プリントをどうやって整理したらいいか」の相談が多いです。
新年度の準備というのは本来とてもシンプルです。「必ず使うモノ」と「それ以外のモノ」、この二つがきちんと分かれていれば、8割がた済んでいます。「新年度に必ず使うモノ」が主役であり、それらをいつも使う棚やデスク、収納に出し入れしやすく置けば、準備完了です。
ところが、多くの家庭ではこうはいきません。「それ以外のモノ」が主役を邪魔するようにいい場所を陣取っていたり、二つがごちゃ混ぜのまま、足元に積まれていたりするので、それらをさばいていく作業が必要になります。
なぜ、そうなってしまうのでしょうか。
その理由は、「それ以外のモノ」の定義づけが粗いままだから。今後どうするのかが曖昧なので、中途半端な状態のまま放置されてしまうのですね。
その証拠に、整理収納の現場では、必ずといっていいほど「こういうモノは、他のおうちではどうしているのですか?」と聞かれます。ただ、「処分しても困らないと聞きましたよ」と伝えても、「じゃあ捨てます」とあっさり決断する人が少ないところを見るに、「使わない=必要ない」ではないようです。
だったら、ちゃんと定義を決めましょう。定義に沿って分けて、扱いを決めましょう。
定義づけは、モノに対する「温度感」で見直してみるのが有効です。「それ以外のモノ」は、大きく五つの温度感でグループに分けることができます。