アマゾンの衛星打ち上げ事業、高リスクの賭けPhoto:Joe Raedle/gettyimages

――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 ジェフ・ベゾス氏が、アマゾン・ドット・コムのビルから立ち去っていないのは間違いない。

 同社の著名な創業者は昨年7月、後任のアンディ・ジャシー氏に最高経営責任者(CEO)の座を正式に明け渡した。自身が立ち上げた米宇宙開発ベンチャー、ブルーオリジンのロケットに乗り込み、同社初の有人宇宙飛行に挑むわずか2週間前のことだった。ジャシー氏は以来、手一杯の状態が続いている。コロナ後の電子商取引(EC)売上高の減速や議員からの絶え間ない追及に加え、最近ではニューヨーク市にある同社の配送センターの一つで労組結成の取り組みが白星を挙げた。アマゾンの株価はジャシー氏の就任初日以来7%下落し、S&P500種指数や他の巨大IT(情報技術)企業に大きく水をあけられている。同期間にS&P500は4%上昇し、アップル、マイクロソフト、グーグルの親会社アルファベットの株価は平均16%伸びている。