世界的にカーボンニュートラルへの対応が必須となり、欧州メーカーを中心にBEV(電気自動車)へのシフトが進む。そうした中、なぜマツダはラージ商品群で新規ディーゼルエンジンを導入するのか。また、ディーゼルを搭載した新型クロスオーバーSUV「CX-60」でどんな走り味を実現したのか。(ジャーナリスト 桃田健史)
あえて大排気量3.3Lディーゼルを投入!
その理由をマツダ役員に直撃
マツダは2022年4月7日、新型クロスオーバーSUV「CX-60」日本仕様を正式発表した。最近の日本車では珍しい、直列エンジンを縦置きしたFR(フロントエンジン・リア駆動)構造を採用した、マツダラインアップ最上級の高級車である。
エンジンは、2.5リッター直列4気筒ガソリン、3.3リッター直列6気筒ディーゼルエンジンに加えて、2.5リッター直列4気筒のプラグインハイブリッド車(PHEV)と3.3リッター直列6気筒ディーゼル48Vマイルドハイブリッドの4タイプを取りそろえた。
PHEVについては、日本市場では21年後半発売の三菱自動車「アウトランダーPHEV」が発売1カ月で1万台強を受注するなど人気を博している。マツダとしても、高級PHEVでシェア拡大を狙う。
一方、ディーゼルエンジンは、「CX-5」などマツダの各モデルのほか、日本車では三菱「デリカD:5」、トヨタ自動車「ランドクルーザープラド」、また商用車ではトヨタ「ハイエース」や日産自動車「キャラバン」など比較的多くの車種で採用されている。しかし、マツダのようにこのタイミングで大排気量の新型ディーゼルを開発するのは珍しい。
こうした経営手法の背景に何があるのか?担当役員に直撃した。