決算報冬 損保Photo:PIXTA

コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は東京海上ホールディングス、SOMPOホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングスの「損害保険」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

東京海上、SOMPOは前年同期比増収
MS&ADは減収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の損害保険業界の3社。対象期間は21年10~12月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・東京海上ホールディングス
 増収率:9.9%(四半期の経常収益1兆4865億円)
・SOMPOホールディングス
 増収率:5.8%(四半期の経常収益9775億円)
・MS&ADインシュアランスグループホールディングス
 増収率:マイナス4.0%(四半期の経常収益1兆1870億円)

※SOMPOホールディングスは、収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 損害保険業界の主要3社のうち、東京海上ホールディングス、SOMPOホールディングスは前年同期比で増収だった。一方で、MS&ADインシュアランスグループホールディングスは減収となった。3社の中で唯一、減収となった要因は何だったのか。

 次ページ以降では各社の増収率の推移を紹介するとともに、MS&ADインシュアランスグループホールディングスの減収要因について詳しく解説する。