コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日本郵政、SGホールディングス、ヤマトホールディングスの「物流」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
日本郵政は前年同期比減収
ヤマト、佐川急便は増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の物流業界3社。対象期間は21年10~12月の四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・日本郵政
増収率:マイナス9.8%(四半期の経常収益2兆7622億円)
・SGホールディングス(佐川急便)
増収率:26.9%(四半期の営業収益4406億円)
・ヤマトホールディングス
増収率:3.5%(四半期の営業収益5069億円)
※3社とも収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
物流業界の主要3社では、日本郵政が前年同期比で減収。SGホールディングス(佐川急便)、ヤマトホールディングスは増収となった。日本郵政が唯一、減収に陥った要因とは何だったのか。
次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、日本郵政の業績について詳しく解説する。