投資家は生涯で最大級の混迷期を迎えているが、それでも株価は上昇している。  S&P500種指数は3月8日に付けた年初来安値から7.6%戻し、今年の下落率を約6%に縮めた。旅行関連株や公益株、赤字のIT(情報技術)企業などあらゆる銘柄が上昇しており、株価の回復ぶりだけでなくその裾野の広さを指摘する声が投資家から上がっている。  1カ月前にはロシア・ウクライナ戦争が激しさを増し、原油価格は1バレル=130ドルへと急伸、株価は急落した。中国では新型コロナウイルスの感染者が再び増え始めた。インフレ統計を見ると、物価上昇圧力は弱まっていない。