米欧州陸軍の現司令官を務めるクリストファー・カボリ陸軍大将は、米国と同盟国の合同軍を指揮する立場に昇格する見通しだ。米当局者が明らかにした。ロシアがウクライナに侵攻して以降、北大西洋条約機構(NATO)の軍幹部人事としては最も大きな変更となる。米国防総省はまた、特殊部隊の新トップも任命する見通しという。両氏とも今年退役を予定していた現司令官の後任で、通常のトップ交代に沿った人事だ。ホワイトハウスのコメントは現時点で得られていない。今回の軍トップ交代は、米軍の地政学的な焦点、および想定される戦争の種類がシフトする中で行われる。過去およそ20年はイラクやアフガニスタンにおける反政府軍との戦いに追われてきた米国防総省だが、近年では中国など通常の軍事的脅威に一段と注力してきた。だが、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、こうした方針に専念することが難しくなっている。