ロシアのウクライナ侵攻を背景とする食料・燃料価格の高騰を巡り、欧州で市民の不満が急速に広がってきた。西側の民主国家が対ロ制裁に対する国民の支持をつなぎとめられるか、政治的耐性が試されている。10日に実施されたフランス大統領選の第1回投票では、目減りする有権者の購買力に焦点を当てた極右のポピュリスト(大衆迎合主義者)、マリーヌ・ルペン氏が22.9%を得票した。物価や賃金、社会保障を争点に掲げた極左のジャンリュック・メランション氏の得票率も22%と、ライバルのルペン氏に迫る勢いだった。フランスからスペイン、ドイツ、ギリシャに至るまで、欧州では賃金の伸び悩みと物価高騰に不満を募らせた市民らによる抗議デモが相次ぎ発生。新型コロナウイルス封じ込め対策という国民に不人気な措置を強いられ、すでに弱体化している各国政府にとってさらなる圧力となっている。