【スクープ】電気興業の社長らに解任要求、セクハラ・不明朗交際費等に物言う株主の怒り爆発!Photo:123RF

東証プライム上場企業の電気興業が6月に開く予定の株主総会で、近藤忠登史社長ら取締役3人と監査役の解任を求める株主提案が出されたことが13日、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。株主提案を行ったのは、物言う株主(アクティビスト)として知られる香港の投資会社リム・アドバイザーズ。電気興業で昨年来噴出する数々のスキャンダルに怒り心頭に発し、ついに異例の社長解任要求に踏み切った。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)

昨年2月に“不可解な”社長交代劇
その裏にあった電気興業のガバナンス不全

「経営の私物化だ」――。

 市場関係者の間で昨年来、そうささやかれる企業がある。電気興業だ。大正時代の1925年、海外との無線通信の充実を図るために設立された国策会社の日本無線電信をルーツに持ち、現在は第5世代移動通信システム(5G)向けアンテナの製造・販売などを担う。

 そんな歴史ある名門企業で昨年来、きなくさい動きが相次いでいる。

 発端は昨年2月にさかのぼる。電気興業は、当時の松澤幹夫社長が会長に退き、取締役執行役員だった近藤忠登史が社長に就く人事を突然発表した。

 松澤氏は後にセクハラや不透明な交際費支出が明るみに出るが、今回、電気興業の大株主であるリム・アドバイザーズが解任を求めたのは、後任の近藤忠登史社長だ。近藤社長の不祥事は今のところ発覚していない。

 一体なぜリムは近藤社長の解任を求めているのか。そして近藤社長以外に解任を求めたのは誰か――。次ページから明らかにしていく。