ネブラスカ州オマハの中心部を離れた、並木のあるにぎやかな区画に小さな家がある。屋根はウッドシェイク葺(ぶ)きで、窓には茶と白のストライプの覆いがかかっている。もしこの家の壁が話せれば、オマハ一の著名人、ウォーレン・バフェット氏の始まりの物語を語ってくれるだろう。  この家のサンルームのアーチ型のドアには、バフェット氏のサインと「バフェット・アソシエイツ誕生の地 1956年5月」の文字がある。投資家としての優れた洞察力から「オマハの賢人」と呼ばれ、世界の大富豪の一人となった同氏は1950年代半ば、この家で暮らしていた。