エレキギター奏者は、完璧な音色を出してくれる真空管アンプを何年もかけて探すこともある。だが今、彼らの多くが真空管そのものを探し求めている。ウクライナの戦争は、かつて米国のテレビやラジオの重要な部品だった、この光るガラス管の不足を深刻化させている。真空管は現在、主に中国やスロバキア、ロシアの工場から米国に輸入されている。「今のうちに予備の真空管を買っておいた方がいいぞ」。ロシアの戦車がウクライナに侵入した後、あるギタリストが人気のネット掲示板「ギア・ページ」にこう書き込んだ。ニューヨーク州ワンタフにある「ダグズ・チューブズ」は、3月の最初の3週間で、その前の3カ月間よりも多くの真空管を販売したという。現在でも、通常の2倍の売れ行きだと、オーナーのダグ・プレストンさんは話す。