ちょっとした恩恵には感謝しよう。今年1~3月期の中国の経済成長は、少なくともエコノミストの悲観的な予測を上回った。もっとも、これは朗報の終わりでもある。18日に発表された第1四半期の国内総生産(GDP)成長率は4.8%となり、中国政府は今年の成長率目標5.5%を達成する見込みがないためだ。成長率の低下は、上海と深圳、吉林省など工業地帯の一部をロックダウン(都市封鎖)したゼロコロナ規制の当然の結果だ。3月の小売売上高は前月比2%近く、前年同月比では3.5%それぞれ減少した。世界にとって一段と心配なのは、3月の工業生産の伸びが前年同月比5%となり、1-2月期の7.5%から鈍化したことである。また、ロックダウンがサプライチェーンに大きな打撃を与えていることも指摘されている。3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は、4カ月間わずかながら拡大傾向にあったが、縮小に戻った。固定資産投資は1-2月の前年同期比12.2%から3月は同9.3%に減速した。
【社説】「ゼロコロナ」のツケを払う中国
ゼロコロナ政策下のロックダウンで経済成長は鈍化、共産党は「心配無用」の姿勢維持
有料会員限定
あなたにおすすめ