台湾などアジアの一部諸国・地域でインターネット接続の脆弱(ぜいじゃく)性への懸念が、ウクライナ戦争を機に改めて浮上している。中国の攻撃によって切断される恐れがある海底ケーブルにネット接続を依存しているためだ。ウクライナの人々は、侵略への抵抗運動を拡大したり、ロシア政府のプロパガンダに対抗したり、国際的支援を得たりするためにインターネットを活用してきた。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が発信している武器供与の要請もその一例だ。ウクライナは陸上の国境に広範なネット接続基盤を張り巡らせており、ロシアによるネットインフラへの攻撃にもかかわらず、国内の大半でオンライン環境を維持している。これに対し台湾は、データ・音声通信の約95%を海底ケーブル経由で送受信している。台湾当局者らによれば、現在14系統の海底ケーブルが運用されており、これらは台湾沿岸の4地点で陸揚げされている。ケーブルは光ファイバーの束で、水まきホース程度の太さだ。