米新聞大手ニューヨーク・タイムズ(NYT)は19日、次期編集主幹にジョセフ・カーン氏(57)を指名したと発表した。カーン氏は現在はマネージング・エディターを務める。NYTでのキャリアは長く、北京支局長を含めさまざまな役職を経てきた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)での勤務歴もある。カーン氏はディーン・バケット氏の後任となる。バケット氏は8年近く編集主幹を務め、66歳を前に退任する。NYT編集主幹の定年は慣例で65歳となっている。NYTによると、カーン氏はデジタルへの移行で中心的役割を演じ、ロンドンやソウルなどの拠点でニュース編集部の拡大を主導してきた。NYTは10年ほど前にデジタル購読に課金制を導入。カーン氏は当時とは大きく様変わりした組織で編集の指揮を執ることになる。デジタル版の有料読者数は紙媒体の10倍以上となった。一方で、トランプ政権時代と比べて読者数は伸びにくくなっている。こうした中でNYTはコンテンツの多様化を進め、ニュース以外にもゲームやライフスタイルといった分野に力を入れている。