建設・住宅業界、再編の「台風の目」は?物言う株主と対決、ロシア制裁で打撃…建設・住宅業界で再編加速!物言う株主、対ロシア制裁で注目の「台風の目」は?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

建設・住宅業界がにわかにさわがしい。ゼネコンは相次ぎアクティビストファンドのターゲットとなり、市場原理という外圧の結果、一気に再編が進み始めた。また、一部の大手ハウスビルダーはロシアのウクライナ侵攻による影響の直撃を受けている。建設資材の高騰に見舞われ、業績の先行きにも暗雲が垂れ込めてきた。(東京経済東京本部長 井出豪彦)

任天堂創業家とインフロニアが
東洋建設買収をめぐり火花

 いま建設業界で最も注目を集めているのが「インフロニア・ホールディングス(HD)」だ。

 同社は準大手ゼネコンの前田建設工業、舗装工事大手の前田道路などを傘下に持つ持株会社で、昨年10月に誕生したばかり。上場ゼネコンで2社目となる持ち株会社化(1社目は高松コンストラクショングループ)により、M&Aを加速させるとの周囲の予想通り今年3月、さっそく海洋土木準大手の東洋建設に対してTOB(株式公開買い付け)を表明し、全株取得を目指すとした。

 東洋建設は2003年に当時のUFJ銀行(現三菱UFJ銀行)などから金融支援を受けた際、前田建設が信用補完のために20%強の筆頭株主となり、以後幹部を派遣するなど19年間にわたり良好な関係を築いてきた。ただ前田建設はこれまで東洋建設側への配慮から経営への介入やシナジーの追求を控えめにしてきただけに、インフロニアHDが100%子会社化まで一気に踏み込むのは意外感があった。