大手を中心に仕事はあるはずなのに稼げなくなっている建設業。ゼネコン各社は、2022年3月期の決算で増収減益を予想している会社が多い。『総予測2022』の本稿では、大手の厳しさが22年中にどこにしわ寄せするのか予想する。(ダイヤモンド編集部 松野友美)
仕事量はあっても、
建築事業の粗利は悪化
ゼネコン各社の2022年3月期決算の見通しは前期よりも悪い。大林組や大成建設、清水建設などの大手ゼネコンは、売り上げは伸びていながらも純利益の大幅減を予想している。
22年はドミノ倒しのように、準大手以下のゼネコンへの利益減少のプレッシャーが強まりかねない。
民間工事において多くのゼネコンが受注高を伸ばしており、仕事の量はある。しかし、単体の売上総利益(粗利)率を見ると、建設事業の中の建築工事の粗利が悪化している会社が多い。
さらに将来の利益のベースとなる受注時利益率も悪化している。