直接会うことが減り、オンラインでのやりとりが増えてきた今「手書き」文字は「個性」や「人柄」に触れられる数少ないツールとしてビジネスでの大きな武器となります。とはいえ、忙しいビジネスパーソンが字のおけいこに費やせる時間はさほどありません。そんな方に向けた新発想の美文字本が『簡単ルールで 突然、美文字が書ける』。字が苦手な人を長年指導してきた著者・萩原季実子さんが「字がうまく書けない理由」を研究し、少し変えるだけで飛躍的に字がうまく見えるポイントだけをルール化した本で、練習なしでも、誰でも、自分史上最高の「美文字」が書けるようになると話題です。この連載では、本書より抜粋しながら美文字のコツを紹介いたします。字にコンプレックスのある方、字がうまくなることを諦めていた方におすすめです。

字がヘタな人が突然、大人っぽい字になれるたったひとつのコツ

大人っぽい字を書くための、もっとも大事なルール「打ち込み」

 漢字を書く時、まず意識してもらいたいのが、線の書き始めの「斜め45度の打ち込み」です。

 漢字を書く時は、「トメ・ハネ・ハライ」など、たくさんのポイントを意識している方は多いと思います。しかし、何よりも大切なのが、この「打ち込み」です。

 書き始めに打ち込みを入れるだけで、動きが出て、大人っぽい洗練された漢字になります。書道の経験があれば、筆を「トン」と落として「スーッ」と線を引く感覚が分かると思いますが、これをペン字にも取り入れるのです。

 打ち込みを入れずに、ただまっすぐな線を書いてしまうと、どこか幼く、メリハリのない漢字になってしまいます。横線も縦線も打ち込みの角度はすべて「斜め45度」になるように意識しましょう。

 ちなみに、縦線、横線、左ハライの書き始めには必ず打ち込みを入れますが、次の場合は入れなくても大丈夫です。

● 右ハライ(右ハライ自体が45度なので入れられない)
● 書き始めが重なる時(たとえば、「中」「点」にある「口」の左上なども重なっているので2画目の横線には不要)
● 右下向けの点(たとえば「点」の下の右3つの点。もともと45度なので入れられない)