直接会うことが減り、オンラインでのやりとりが増えてきた今「手書き」文字は「個性」や「人柄」に触れられる数少ないツールとしてビジネスでの大きな武器となります。とはいえ、忙しいビジネスパーソンが字のおけいこに費やせる時間はさほどありません。そんな方に向けた新発想の美文字本が『簡単ルールで 突然、美文字が書ける』。字が苦手な人を長年指導してきた著者・萩原季実子さんが「字がうまく書けない理由」を研究し、少し変えるだけで飛躍的に字がうまく見えるポイントだけをルール化した本で、練習なしでも、誰でも、自分史上最高の「美文字」が書けるようになると話題です。この連載では、本書より抜粋しながら美文字のコツを紹介いていますが、今回は「美文字」になると、いったいどんなことが起こるのか、萩原先生ご自身が経験したエピソードをご紹介しましょう。

ほとんどの人が知らない!<br />営業成績がいい人が<br />やっている小さな習慣Photo: Adobe Stock

美文字の手紙の、すごい威力

私は、ペン字講師になる以前の20台前半のころ、新卒で、広告代理店に入社して、営業の仕事をしていました。

新規クライアントの開拓のための電話営業をやっていたのですが、毎日何本も電話をかけても、話を聞いてもらうことすらできず……。ましてや契約などなかなか取れない状況で、困り果てていました。

そこで、字を書くのが得意だった私は、営業相手に資料を送る際、電話で話した内容や商品のおすすめポイントを、1社ごとに手書きの手紙付きで送るようにしたのです。

資料が届いたころのタイミングで先方にお電話すると、「あ、あのきれいな字のお手紙の方ですね」と覚えてもらうきっかけとなり、話を聞いてもらえることが格段に増えました。

新規の営業においては「会ってもらう」までのハードルがとても高いですよね。そんな時に、「美文字で個別に手紙を書くこと」は、最強のツールになります。相手に深く印象を残し、会話のきっかけにもなり、ちょっと会ってみたいと思ってもらえたりします。たった一通の美文字の手紙で、相手との距離感が一気に近くなることは、本当に多いのです。

実際、私自身も、この方法で、顧客獲得数1位などの営業成績を残すことができました。

ここ数年、新型コロナの影響などで、実際に人に会う機会はさらに減っていると思います。メールやメッセンジャーなどオンラインでのやりとりが増えている今、手書きの文字はその人の人柄や個性を伝えらえる数少ないツールとして、さらにインパクトが高まっていると思います。美文字を身に付けるメリットはますます増えています。是非、忙しいビジネスパーソンでもすぐにコツをマスターできる本書などもご参考にしていただければ幸いです。