直接会うことが減り、オンラインでのやりとりが増えてきた今「手書き」文字は「個性」や「人柄」に触れられる数少ないツールとしてビジネスでの大きな武器となります。とはいえ、忙しいビジネスパーソンが字のおけいこに費やせる時間はさほどありません。そんな方に向けた新発想の美文字本が『簡単ルールで 突然、美文字が書ける』。字が苦手な人を長年指導してきた著者・萩原季実子さんが「字がうまく書けない理由」を研究し、少し変えるだけで飛躍的に字がうまく見えるポイントだけをルール化した本で、練習なしでも、誰でも、自分史上最高の「美文字」が書けるようになると話題です。この連載では、本書より抜粋しながら美文字のコツを紹介いていますが、今回は「美文字」になると、いったいどんなことが起こるのか、萩原先生ご自身が経験したエピソードをご紹介しましょう。
書類選考は美文字が9割
30代の女性のある生徒さんは、昔から、字を書くことが苦手で、周囲から「字が読みにくい、汚い」と言われていたこともあり人前で字を見せるのが嫌いでした。
でも一念発起して、自信をもって字がきれいに書けるようになりたい、仕事で活かしたい、と思い、私のレッスンを受けられました。たちまち上達されて、転職活動をされた時に、履歴書を3社に送ったところ、3社すべての書類審査が通られたのです。
そして、すべての会社の面接官に「履歴書の字がきれいで読みやすいですね」と言われたとのこと。現在、転職が決まった会社では、領収書、宛名書きなど「手書きなら〇〇さんにお願いしよう」と言われるほどになり、以前とは別人のように、自分の字に自信がついたとおっしゃいます。
汚い字だと読むのがつらい
私の知り合いの、新入社員の書類選考をしていたあるマスコミの社員も「一人で百名以上の書類や作文を読むから、目が疲れてくるんです。汚い字だとそれだけで読むのがつらい。きれいで読みやすい字だと内容も頭に入ってきやすい。応募書類が手書きの場合、字の読みやすさに合否が左右されることは、想像以上に大きいと思いますね」とおっしゃってました。
書いてある内容はもちろんですが、応募書類も”見た目”は大事。ぜひ、本書などもご参考に美文字のコツを身に付けていただければと思います。