完成まで三〇〇年かかると言われていた
サグラダ・ファミリアだが…

 たとえば、スペインのバルセロナにある有名なカトリック教会堂建築に、サグラダ・ファミリアがあります。建築家のアントニオ・ガウディの設計によるものです。「聖書の内容を表現した」と言われる、きわめて壮大な建築です。

 一八八二年に着工され、その翌年にガウディが設計施工を引き継ぎましたが、生前のガウディがつくることができたのは、地下の祭室とファサードなど、全体の四分の一にも満たない部分でした。当初は完成まで三〇〇年かかると言われていました。もちろんガウディは完成を見ることなく、この世を去っています。

 現在、ガウディのビジョンは九代目の設計責任者ジョルディ・ファウリへと引き継がれ、建設が進められています。

 技術革新が進んだことと観光客の増加で予算が集まったことから、新型コロナウイルスによる工事中断がなければ、二〇二六年にも完成すると言われていました。