米国最大のユダヤ人団体「名誉毀損(きそん)防止同盟(ADL)」のデータによると、米国で昨年発生した反ユダヤ主義とみられる暴行、侮辱的行為、ハラスメント(嫌がらせ)などの件数が過去最高を記録した。2021年に報告された反ユダヤ主義の事件数は2700件を超え、前年比で約34%増えた。これはADLが統計を取り始めた1979年以来最多だ。ADLのトップを務めるジョナサン・グリーンブラット氏は「米国での反ユダヤ主義的行動については、1つのイデオロギーや信念体系を示すことはできない。多くの場合、動機は全く分からない」と指摘。「だが、ユダヤ人が米国で経験している反ユダヤ主義の事件が少なくともこの40年間で最も多い状況となっていることは十分分かっている。これは社会の亀裂が拡大していることを示す非常に懸念すべきサインだ」と述べた。