中国の株式相場は先月、政府が景気刺激策を打ち出すとの期待感から急速に持ち直した。足元では、新型コロナウイルス対策の行動制限が長期化するとの懸念から、評価の見直しが同じくらい急ピッチで進んでいる。中国株は今週に入り大幅に下落。上海に続いて北京にもロックダウン(都市封鎖)が導入されるとの懸念が背景にある。上海のロックダウンは大きな経済コストを伴うにもかかわらず数週間続いていることから、感染力の強いオミクロン株が広まる中でコロナ対策が緩和される望みは吹き飛んだ。上海と深センの大型株で構成されるCSI300指数は今週に入り5.7%下落し、2年ぶりの安値を付けた。オフショア(本土以外)の中国株は、中国政府が3月に下支えを示唆したことから持ち直していたものの、同じく失速。ハンセン指数は、3月中旬に付けた安値からの上昇分を半分以上失った。