米国人旅行者が国外から土産物を非課税で持ち帰れるようにするための規定が、企業による数十億ドルの関税回避に利用されている。しかも、これは完全に合法だ。この「デミニマスルール」と呼ばれる免税措置は何十年も前に施行されたもので、その名称は「取るに足らないもの」という意味のラテン語に由来している。この規定はこれまで、その名の通り米税関・国境警備局(CBP)がわざわざ記録を取るほどでもないささいな輸入品に適用されていた。しかし、それはもはや「ささいなもの」ではなくなっている。デミニマス規定に基づく既知の輸入額は、2020年に670億ドル(約8兆5300億円)超と2012年の推定4000万ドルから急増している。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がこれまで報告されていなかった米税関データを確認した結果、明らかになった。
土産物用の免税で関税回避か、米年間8.5兆円超
トランプ前政権の対中関税後に急増
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