離婚した後
Eさんの収入はどうなる?

 早速、Eさんが離婚しても家計は大丈夫なのか、家計収支を含めて回答していきたいと思います。

 ただ、現在は家計の主だった支出は夫が出しているためEさんの出費はほとんどなく、また離婚後の毎月の支出予定額の記載がありません。そのため、推定値を使って試算していきます。

 収入は、離婚後も「現状維持」とします。その他、離婚した場合の厚生年金分割の金額、65歳以降のEさんの公的年金額、離婚後の支出などは推測や統計データを交えて家計収支を試算することはご承知おきください。

 Eさんの現在の収入は、月9万円でボーナスが年間20万円と書かれているので、年間では128万円になります。この金額に離婚後の厚生年金の分割分、65歳からはEさん自身の年金が加わることになります。

 相談文には「夫の年金額は15万円」と書かれていますが、その内の9万円を、厚生年金額とします。婚姻期間はわからず、また離婚に際して厚生年金の分割の扱い等も不明であることから、9万円のうち6万円をEさんとの婚姻期間分とします。その半分の月3万円、年間36万円が離婚後のEさんの厚生年金分割分とします。

 Eさんは現在62歳です。65歳までの年間収入はパートの128万円と、厚生年金分割分の36万円を合計した164万円です。65歳以降(仕事を続けている場合)は164万円にEさん自身の年金額が加わります。仕事を辞めた場合の収入は、年金のみです。

 年金額については相談文に「9万円ほど」と記載がありましたが、ここでは推定値を使用します。総務省の「家計調査報告2020年(家計収支編)」における高齢単身無職世帯の年金収入をベースにします。そのデータの90%をこの試算での「年金額」として使用しましょう。同データの年金額は月12万1942円、その90%は9万7553円です。

 従って、この試算ではEさんの年金を「9万7553円」とします。すると、年間では117万636円です。65歳以降の収入(仕事を続けている場合)は、前述の164万円にEさんの年金額117万636円が加わり、281万636円です。万円未満は切り捨て、281万円とします。