金利の急激な上昇を受け、人々は現金が持つ潜在的な収益力に気付きつつある。銀行や証券会社はそれに適応していくことになるが、大したことではない。投資家は銀行全般に関して、低い預金金利の見直しや利回りの向上を目指す預金流出が、どれほどの速さで進むかを懸念している。米証券大手チャールズ・シュワブの場合は、この圧力が「現金選別」という形で生じている。人々が、ごくわずかな利益しかもたらさない未投資現金の一部を、MMF(マネー・マーケット・ファンド)など相対的に利回りが高い投資先に移しているのだ。そうした現金がシュワブの提供するMMFに移ってきた場合でも、同社が得る正味の手数料は、同じ現金を自社のバランスシートに置いた場合に得られる利益より少ないことが多い。