ロシアがウクライナに侵攻して2カ月余りが経過し、世界最大の武器生産・輸出国である米国では一部で在庫に不足が生じつつある。にもかかわらず、在庫の積み増しに向けた増産には着手できていない。  米国の軍事産業基盤や紛争時の増産能力を巡っては、かねて不安がくすぶっていた。ここにきて新型コロナウイルス禍を背景とする半導体やロケットモーター、推進剤、人手不足が重なり、こうした懸念がさらに強まる構図となっている。  バイデン米政権は来会計年度の国防総省予算として7730億ドル(約101兆円)の拠出を求めており、軍事支出は増加する見通しだ。