コロナ禍という、自分ではどうしようもない状況下はもちろん、仕事やプライベートなど、わたしたちは不安や孤独、焦りなど、ネガティブな感情をよく感じます。もっと言えば、ネガティブな感情を抱くのは当たり前のことです。ケンブリッジ大学でメンタルヘルスを10年ほど研究しているオリヴィア・リームス氏は、人が本来の力を発揮するのを妨げているネガティブな感情は、大きく9つに分けられるといいます。本記事では、これらのネガティブな感情に対処する科学的なメソッドを新刊『STRESS FREE』より一部紹介します。
わたしたちはなぜ先延ばししてしまうのか
今やるのが得策だとわかりつつ、そうする必要もないのに、ついつい明日にしてしまう。それが「先延ばし」です。
それにしても、わたしたちはなぜ、良くないと知りながら先延ばしをするのでしょう?ひとつには、人間に「気分良く過ごしたい」「緊張を避けたい」という欲求があるからです。やるべきことのために、焦りや苛立ちなどを感じたくない。その感情を避けるためならなんでもしてしまうわけです。
もっとも、そうして一時的に先送りしても、つかのま解放感が得られるだけで、長い目で見たら良いことはありません。先延ばし癖はストレスを生み、体の免疫機能を弱めるおそれがあります。実力を十分発揮できず、後悔したりチャンスを逃しがちになったりもします。