1%の才人が99%の凡人に差をつける「後回しにしない技術」物事を後回しにしてしまう人とそうでない人の違いは、人間の特性をよく理解しているかどうか、そしてそれを利用できているかどうかで決まる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

レビュー

「家に帰ったらやろう」「ご飯を食べたらやろう」「少し休んだらやろう」「テレビを見終わったらやろう」……このように心の中でつぶやいて、やるべきことを後回しにする悪癖。直したいと思っている人は少なくないのではないか。

『「後回し」にしない技術 「すぐやる人」になる20の方法』書影『「後回し」にしない技術 「すぐやる人」になる20の方法』  イ・ミンギュ著、 吉川 南訳 文響社刊 1672円(税込)

 本書『「後回し」にしない技術 「すぐやる人」になる20の方法』は心理学博士でありカウンセラーも務めた著者が、心理学的見地から問題を分析し、後回しにしないための解決策を提示するものだ。単に勉強や仕事をはかどらせるための小手先のテクニックではなく、一歩足を踏み出せないでいる人が行動に移し、人生を成功に導くための本質的な法則をまとめているのがポイントである。

 早起きできない、勉強に身が入らない、重要な仕事の前に雑用をしてしまう……これらの事象を近視眼的に見れば、やるべきことを後回しにしただけの、取るに足らないことのように思える。ところが大局的に見ると、そこには目標が達成できない根本的な原因が存在する。物事を後回しにしてしまう人とそうでない人の違いは、人間の特性をよく理解しているかどうか、そしてそれを利用できているかどうかで決まるのだ。

「願えばかなう」といった自己啓発によくある法則は、けっして効果がないわけではない。ただ願うだけでは不十分なのも事実である。本書を読んだら、ぜひ1%でもいいから自らの行動に反映させていただきたい。そのとき本書は、「自分の人生」を生きたい人にとってのバイブルとなるだろう。(金井美穂)