コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2022年1〜3月度のホテル編だ。
プリンスホテル、京王プラザ、東急ホテルズ…
業績前年超えでも「大苦戦」の内情
ホテルの主要3社が発表した2022年1〜3月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯プリンスホテル(西武ホールディングス〈HD〉)の宿泊客数
1月度:前年同月比307.0%(207.0%増)
2月度:同194.7%(94.7%増)
3月度:同150.7%(50.7%増)
◯京王プラザホテル(京王電鉄)の売上高
1月度:前年同月比193.8%(93.8%増)
2月度:同191.9%(91.9%増)
3月度:同135.4%(35.4%増)
◯東急ホテルズ(東急)の店舗売上高
1月度:前年同月比191.7%(91.7%増)
2月度:同151.0%(51.0%増)
3月度:同128.5%(28.5%増)
上記の数字を見て違和感を覚えた人も多いのではないだろうか?
日本の新型コロナウイルス感染者数は2月には1日当たり10万5000人を超えた。3月にも7万人以上の新規感染者数を記録した日がある。
このような状況の割には、2月度も3月度もはホテル3社全てが前年実績を大きく超えている。なぜだろうか?これにはデータ上のカラクリがある。