三五館シンシャ「職業日記シリーズ」の数々三五館シンシャ「職業日記シリーズ」の数々

2019年に発売され、7万6000部のベストセラーとなった書籍、『交通誘導員ヨレヨレ日記』。発行元は三五館シンシャという出版社だ。同社では『交通誘導員~』を皮切りに、さまざまな職業に従事する高齢者のリアルを描いた「生活と痛みのドキュメント」をコンセプトとしたシリーズを展開している。マンション管理員や非正規介護職員、さらには有名テーマパークのキャストなど、これまでにクローズアップしてきた職業は多岐にわたる。(清談社 鶉野珠子)

職業日記シリーズはすべて
著者からの持ち込み企画

 三五館シンシャの「職業日記シリーズ」は、これまでに10以上の職業にスポットライトを当ててきた。2作のコミカライズ版も含め、シリーズの累計発行部数は40.4万部に及ぶ(2022年4月時点)。

三五館シンシャの代表取締役・中野長武氏三五館シンシャの代表取締役・中野長武氏

「1作目の『交通誘導員ヨレヨレ日記』の発売が2019年7月。ちょうど1カ月前に『老後2000万円問題』が話題となって、多くの人々が『老後の働き方』について関心を持っている時期でした。タイミングの良さも手伝い、予想以上の大ヒットになって、著者の柏耕一さんも数々のメディアに引っ張りだこでした」

 そう語るのは、「職業日記シリーズ」を発行している、三五館シンシャの代表取締役・中野長武氏だ。

 同シリーズには、著者が高齢という共通点があり、たとえば『交通誘導員ヨレヨレ日記』の著者は73歳、『ケアマネジャーはらはら日記』の著者は68歳だ(どちらも発売当時の年齢)。