2月1日午前入試に参入する男子校「東京都市大付属」の勝算顧問の先生が、自ら立ち上げた少林寺拳法部。全国大会にも出場するなど、レベルが高い

中学受験比率の高い世田谷区でも、共学化の波が押し寄せてきている。その点、“トシコー”こと東京都市大学付属は、実に男くさい学校である。専任教員は全員男性であり、運動系を中心に部活動も盛んだ。そんな“ザ・男子校”が、23年入試で悲願の2月1日午前入試に参入する。(ダイヤモンド社教育情報、撮影/平野晋子)

2月1日午前入試に参入する男子校「東京都市大付属」の勝算

篠塚弘康(しのづか・ひろやす)
東京都市大学付属中学校・高等学校校長

1961年横浜市生まれ。横浜市立大学文理学部卒業後、神奈川県立高校の数学科教員に。母校である希望ケ丘高校の教頭、保土ケ谷高校校長などを務め、県教育委員会の教職員人事課で県立学校人事担当の課長職に。2019年、県立横浜翠嵐高校校長に就任、定年退職後の2022年4月から現職。

 

都市大付属生の半分弱は神奈川から

――東大合格者数で言えば、篠塚先生が3月まで校長を務めておられた横浜翠嵐高校は、今年52人、昨年50人とすごかったですね。東大合格発表の時には特別態勢を組むのですか?

篠塚 本校のように、全員ではありませんが、来てくれる生徒はいます(笑)。誰が受けているかは分かっていますし、合否の連絡を学校にするように言っています。浪人生は予備校でも把握しているので、そちらからも連絡が来ます。

――このように東大合格者が年々増えていくと、学校文化は変わるものですか。

篠塚 東大を受けることが特別ではないということと、先輩の代にたくさん合格者が出たら、自分たちの代で落としたくないという気持ちは生まれます。追い付け追い越せと、ハッパもかけています。公立校の場合はコンスタントに合格者を出すことは難しいです。どうしてもその年の大学合格実績を見てから中学生が受験してきますので、合格者数の増減は4年周期になります。昨年は50人合格しましたが、その4年前にも多くの合格者を出していました。私立中高一貫校の場合は7年周期ともいいますね。本校でも、コンスタントに合格者を出せるように努めていきたいと思います。

草間 確かに、中学受験の場合も、入学する前年の大学合格実績を見て受験するという動きがあります。昨年の大学受験生が入学した年の中学入試には5000人を超える志願者がいましたので、実は昨年2ケタを期待していました。逆に、今年の卒業生が入学した年の前年には東大合格者がゼロだったりしたのですが、生徒も先生方も頑張ってくれました。

――横浜翠嵐に入ってくる生徒は第1志望の受験生ばかりでしょうね。

篠塚 最近は多いと思います。国立大や早慶の付属校志望者もいます。

――本校は世田谷区の西端、多摩川に近い立地ですが、神奈川県から来る生徒さんも多いのですか。

草間 在校生の約40%は神奈川県から通ってきています。横浜市と川崎市を合わせた分だけで30%くらいになります。

――そんなに多いのですか。それが今回、篠塚先生が校長としていらした理由の一つなのかもしれないですね。

2月1日午前入試に参入する男子校「東京都市大付属」の勝算「勉強も部活も100:100」を掲げるように部活動が盛んで、高校生の加入率も8割超
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