円地文子や平岩弓枝など
多くの女性作家を輩出

ワーク・ライフバランスの小室淑恵ワーク・ライフバランスの小室淑恵氏 Photo:JIJI

 新宿から小田急線で30分という神奈川県川崎市多摩区にある。校舎もグラウンドも広い森に囲まれており、静かで落ち着いた環境だ。1901年以来、日本女子大の創立とともに歩んできた。6年制一貫教育の私立女子校だ。

 文芸で才能を発揮し、文化勲章を受章した作家が2人、巣立っている。

 まずは、小説家の円地文子。『ひもじい月日』『女坂』などが代表作で、戦後の女流文壇の第一人者として高く評価された。『源氏物語』の現代語訳でも知られる。

 文子は、現代国語学の基礎を確立させた東京帝大教授の上田万年(東京府第一中学変則科・現都立日比谷高校卒)の二女として生まれた。1918年4月に旧制日本女子大学校附属高等女学校(現日本女子大附属高校)に入学、歌舞伎や小説にひたり、4年次終了と同時に中退した(当時の高女は5年制)。

 女流文学賞、谷崎潤一郎賞などを受賞、1985年に文化勲章を受章した。