株を始めるのはとても簡単。スマホだけで口座開設から注文までできるし、今どきは1株、数百円で買うことも可能です。でも、株で成功するためには、本当に必要な基礎知識だけはきっちりマスターすること!『めちゃくちゃ売れてる株の雑誌ザイが作った「株」入門改訂第3版』から、一生役に立つ投資の知識を一部抜粋・編集してお届けします。
“株の神様”が成功したシンプルでわかりやすい手法
日常生活の中から株価10倍になる株を探そう! これは、“株の神様”といわれるピーター・リンチが著書などで繰り返し発しているメッセージです。実際にピーター・リンチは、娘と行くショッピングや妻との会話などを大切にする中からヒントを得て10倍株をたくさん掘り当てました。そして、ファンドマネージャー(資金運用のプロ)として歴史に名を残すほどの成績を収めたのです。
株式投資にはさまざまな手法があります。比較的シンプルでわかりやすい手法もありますし、とても複雑で難解な手法もあります。一見、複雑な方法が優れているように思ってしまいますが、実際には継続的に成功している投資家ほどシンプルでわかりやすい方法を取っているように思われます。
ピーター・リンチはその代表格ですし、ピーター・リンチの盟友で世界的な大富豪であるウォーレン・バフェットもシンプルな投資で成功したひとりです。一方、複雑な手法を取っていた米国の投資銀行やヘッジファンドなどの投資家たち(プロ中のプロといわれた人たち!)はリーマンショックで次々苦境に陥りました。
日常生活の中から出現した大成長株はたくさんある
日本でも「日常生活の中から出現した大成長株」は多数あります。コンビニエンスストアを日本に広めたセブン―イレブン・ジャパン(現セブン&アイ・ホールディングス)、インターネットポータルサイトのヤフー(現Zホールディングス)などは株価300倍以上になりましたし、ユニクロのファーストリテイリングに至っては400倍以上になっています。
さらに、メガネ店「JINS」のジンズホールディングスや「ABEMA」のサイバーエージェントは200倍以上、100円ショップのセリア、「業務スーパー」の神戸物産、牛丼「すき家」のゼンショーホールディングス、「ドン・キホーテ」を展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは100倍以上になるなど、数え上げればキリがありません。
最近でも、出前館が100倍、工具類ネット通販のMonotaRoは160倍、ガテン系に人気のワークマンは30倍、医療従事者向け専門サイトのエムスリーは58倍、求人サイト「はたらこねっと」のディップは150倍……というように、私たちの日常生活から尽きることなく成長株が出現しています(倍率は、いずれも成長期前後の安値から高値までの動き)。
いずれも、その成長ぶりを生活の中で多くの人が感じられた事例ばかりだと思います。生活に変化をもたらすような企業が出現した時は、大成長株を狙うチャンスでもあるのです。
このように、私たちの日常生活の中には大変な宝が隠されています。それを探すヒントは、身の回りにたくさん転がっています。子どもの遊び、女性の趣味、そして、自分自身の消費行動などです。全くの株の初心者でも、そうしたヒントを生かして大成長株を掘り当てるチャンスがあるのです。
ノウハウを身につけて、身の回りの情報を宝に代える
とはいえ、株式投資はいいことばかりではありません。
「これはいいな!」と思って買った株が見込み違いで下がってしまうこともありますし、リーマンショック(08年)や東日本大震災(11年)、新型コロナショック(20年)のような危機に遭遇して株価が急落することもあります。
では、どうしたらいいのでしょうか。
目をつけた株が本当にいい株かどうかをチェックし、投資タイミングをはかり、何があっても大丈夫なようにリスク管理をし……というようなノウハウ・戦略が必要になります。逆に言えば、そうしたノウハウ・戦略が身につけば、「身の回りの情報」を次々と宝に変えていくことも可能だということです。株に特別な才能はいりませんが、本当に必要な基礎知識だけはきっちりマスターすることが必要です。さぁ、そろそろ株を始めましょう。