ベストセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者として知られる公認会計士・税理士の山田真哉氏。いわばお金を扱う専門家だが、実は投資でもうけた数千万円をほんの数カ月でゼロにした痛い経験がある。特集『株投資 入門&実践』(全18回)の#4では、まさに天国と地獄を味わった山田氏に当時の話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)
『さおだけ屋』の山田真哉氏が明かす
FXと仕組み債で味わった天国と地獄
安定した配当収入を狙いながらも、実態は波瀾万丈の投資――。そう表現するのにふさわしいのが、ベストセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者として知られる公認会計士・税理士の山田真哉氏だ。
山田氏が投資を始めたのは、大学を卒業して一般企業に就職した1999年のこと。アルバイトでためた50万円を元手に、外国債券メインの投資信託を購入したのが初めての投資経験だ。「日本経済新聞」を読み、経済を勉強して為替相場を予想。当初は予想通りに円安基調で推移していたが、半年後には円高に転じてしまい、その後長らく含み損を抱えることになったという。
また、これを機に株式投資も始めたが、2000年に公認会計士試験に合格し、監査法人に転職したことで、株式投資は断念せざるを得なくなった。
それから5年。監査法人を退職し、分かりやすく会計学を解説した『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』が大ベストセラーとなり、1億円の印税を手にした。これが、本格的な投資デビューのきっかけとなり、波瀾万丈の投資人生がスタートする。
次ページ以降では、FX(外国為替証拠金取引)や仕組み債への投資を通じて山田氏が味わった天国と地獄に加え、株式投資を行う際の哲学について、山田氏へのインタビューを通じて詳らかにしていこう。