かっぱ寿司Photo:Diamond

コロナ禍が落ち着き始めたことで、市況も少しずつ回復しつつある。しかしビジネス界では、コロナショックから立ち直った企業と不調から抜け出せない企業とで明暗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はスシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIES、くら寿司、カッパ・クリエイトの「すし」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

スシロー好調も伸び悩み?
かっぱ寿司はコロナ禍から回復できず

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のすし業界3社。対象期間は21年11月~2022年3月の直近四半期(くら寿司は21年11月~22年1月期、その他2社は22年1~3月期)の直近四半期としている。

 各社の増収率は、以下の通りだった。

・FOOD & LIFE COMPANIES(スシロー)
 増収率:15.4%(四半期の売上収益687億円)
・くら寿司
 増収率:19.5%(四半期の売上高465億円)
・カッパ・クリエイト
 増収率:マイナス0.7%(四半期の売上高164億円)

※くら寿司は収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 スシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIESとくら寿司は増収となった一方で、カッパ・クリエイトは減収と、明暗が分かれた。

 それぞれ増収、減収となった要因は何だったのか。次ページでは、時系列データを踏まえて詳しく解説する。