回転寿司を支える
「特別なユーザー」の存在感
コロナ禍にもかかわらず、スシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIES(以下、F&LC)は業績好調が続いている。同社の2021年9月期の営業利益は、業績予想を上回る229億円(前年比90%増)となった。
F&LCの年商(2400億円超)の大半は、国内の回転寿司「スシロー」によるものだ。国内の回転寿司市場は驚異的な成長が続いており、2001年に2520億円だった市場は2020年には6196億円と、20年間で2.5倍となった。
しかし、市場は拡大しているものの、回転寿司の利用者は増えていない。マルハニチロの調査によると、回転寿司を利用する人の比率は、2012年の83%に対し2021年は71%と、約10年で10%ポイント以上も低下した。平均客単価も微増か横ばい圏だ。
実は、回転寿司市場の拡大は、回転寿司を愛してやまない「ヘビーユーザー」に支えられている。上述の同調査によると、週に1回以上のペースで回転寿司を利用する人の比率は、2012年の3.3%に対し、2021年は5.5%へと上昇した。
調査対象の母集団が同数とすると、週1回以上利用するヘビーユーザーの数は67%増加した計算となる。彼らは年間当たり50回以上の頻度で回転寿司を食する。ヘビーユーザーのヘビーローテーションの対象となることが、この業界での成功の秘訣だ。