インフレ急進時には物価上昇に追随する実物資産に資金を投入するのがベストだというのはよく聞かれる話であり、不動産が最適な選択肢として提案されることが多い。だが実物資産、特に不動産は一般的に、有価証券のように容易かつすぐに購入することができず、その取得には多額の取引コストがかかることも多い。次善策として考えられる選択肢は、株式ポートフォリオのリバランスを行い、インフレ環境に強い業種の組み入れ比率を増やす方法が一般的だ。では、インフレ急進時の株式ポートフォリオにはどのような業種が最適だろうか。結論としては、不動産投資信託や不動産関連企業株は最善の選択肢ではない。筆者がアシスタントのシーハン・チェンおよびイーミン・シェと行った調査では、素材産業とエネルギー産業のパフォーマンスが他の業種をかなり上回っていることがわかった。