毎年恒例のアップルWWDC(Apple Worldwide Developers Conference、世界開発者会議)が、今年も米国で6月6~10日の5日間にわたり開催されている。ここ2年は完全なオンライン開催のリモートイベントだったが、今年は人数を約1000人に縮小してリアルなセッションも行われ、開発者間のコミュニケーションを復活させようとしている。今回は、初日のキーノートで発表された内容の中から、特にユーザーのメリットにつながりそうな話題をピックアップしてお届けする。(テクノロジーライター 大谷和利)
ARグラスの発表はなかったが、盛りだくさんの内容
WWDCは、本来、アプリや周辺機器の開発者に対して、アップルが最新の技術情報やロードマップを提供する場なので、他のスペシャルイベントのような新製品が発表されるとは限らない。実際に、ハードウエア製品が一切発表されなかった年もある。しかし今回は、定例のOS群のメジャーバージョンアップ情報に加えて、ノートMacのモデルチェンジも行われるなど、盛りだくさんの内容であった。
一方で、ここ2年ほどうわさされてきた(そして、開発中であることは間違いない)ARグラス関連の発表はなく、Macのラインアップで唯一、今もインテルチップを採用しているMac Proのアップデートも見送られた。