“脳のメモ帳”ワーキングメモリは、鍛えても容量が増えない。酷使しすぎると、キャパオーバーで逆に仕事の精度は落ちていく。では、ワーキングメモリの負荷を減らして、仕事の効率化を進めるにはどうすればいいのか。宇都出雅巳氏の新著『仕事のミスが絶対になくなる頭の使い方』からの一部抜粋で、効率的な脳の使い方について考察する。
新人が「メモをとる」ことを
叩き込まれるには理由がある
よく成功者の体験談などでふと思いついたアイデアを「紙ナプキンになぐり書きした」といった話が出てきますが、たとえ紙ナプキンのなぐり書きであっても、それを書いて残しておくかどうかは、大きな分かれ道になります。
これは、「人の記憶力は頼りないのだから、ムダな抵抗はさっさとやめなさい」という先達の教訓でもあります。
そもそもビジネスシーンでは受験と違って、ほとんどの場面で手元のメモや資料を見る「カンニング」が許されます。
また、スケジュールはスケジューラーに入れておけば勝手に通知してくれますし、電話番号は一回登録すれば数字を気にする必要すらありません。人前でしゃべるプレゼンのときでさえパワーポイントを見ながら行うわけですから、大半のことは頭に入れる必要などないのです。