仕事のミスが絶対になくなる頭の使い方写真はイメージです Photo:PIXTA

人は物事を覚えていると思っていても、実は覚えていない。聞いているといっても、聞いていない。想像以上にいい加減な脳の性質を理解すれば、仕事の質と効率は劇的に向上する。宇都出雅巳氏の新著『仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』からの一部抜粋で、集中力をアップさせて仕事のミスを防ぐ“脳のメモ帳”ワーキングメモリの鍛え方を伝授する。

ワーキングメモリが覚えられるのは
せいぜい4つ程度?

 ワーキングメモリが貯蔵できる事象は、せいぜい7つ前後(7±2)と言われています。最近の研究ではもっと少なく、4±1という説もあるほどです。

 わたしたち人間は、今こうやって読んでいる日本語の知識を始め、日々の経験など膨大な記憶を蓄えています。

 しかし、すぐに、かつ明確に記憶できる数となると、こんなにも少ないのです。

 これは「注意(アテンション)」と絡んできます。われわれが同時に注意を払える数が少ないため、ワーキングメモリの容量も少なくならざるを得ないのです。

「注意」とは、言ってみればモノをつかむことができる「腕」のようなもので、ワーキングメモリで覚えている状態とは、情報が腕につかまれている状態です。注意が他に向いて腕から放すと、すぐに忘れてしまいます。