プーチンも仲間「神真都Q」のメンバーは、ドナルド・トランプを信奉し、プーチンも仲間と語る(写真はイメージです) Photo:123RF

ユニクロやアマゾン、ヤマト運輸に潜入したジャーナリストが、反ワクチン団体「神真都(やまと)Q」の正体に迫る連載の第3回。彼らの行動様式は、陰謀論にスピリチュアルな要素を自由自在に組み合わせることで、教会や寺院などにこだわらない“拡散宗教”の色彩をまとっている。オウム真理教の幹部だった上祐史浩は、自身のTwitterで神真都Qについて「1988年末のオウムと似ているように思う」と投稿している。(敬称略)(ジャーナリスト 横田増生)

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陰謀論者はメディアがおとしめるような人を
持ち上げようとする傾向が強い

 なぜ反ワクチン団体「神真都Q(ヤマトキュー)」のメンバーは、他国の政治家であるドナルド・トランプに、これほどまでのシンパシーを覚えるのだろう。

 その動きを当初から追いかけてきたライターの雨宮純はこう説明する。

「僕は神真都Qをオカルト系の陰謀論集団と捉えているのですが、陰謀論者は、メインストリームのメディアがおとしめるような人を、持ち上げようとする傾向が強いのです。背景には、自分たちが世間で評価されずにくすぶって生きていることへの不満があります」

「2021年1月、トランプの支持者たちが米連邦議事堂を襲撃して以来、トランプを肯定的に取り上げるメディアはなくなりました。だからこそ、陰謀論者には魅力的に映るのです。トランプの本当の姿や実力を知っているのは私たちだけだ、という倒錯した気持ちに酔ってしまうのです」

「そのトランプの指導によって、コロナは存在しなかったことが証明されて、世の中が180度引っくり返るんだ、と信じることに喜びを見いだすのです。コロナがウソならば、それを知っている私たちが世の中の主役になれるというゆがんだ喜びです」

 それにしても、神真都Qの唱える「光の戦士」や「いい宇宙人」、「龍神のDNA」や秘密結社の「イルミナティ」などの世迷い言で作る物語は、あまりに滑稽で、稚拙すぎないだろうか。