生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。
ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉の数々。とても読みやすいオムニバス形式の8つの物語は、気づかぬ間に心の荷物を抱え込んで苦しくなったとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。
voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
承認欲求を求めるほど逆効果
「承認欲求」についての質問は、かなりたくさんいただきます。それだけみなさんの関心事でもあり、悩みの源になっていることでもあるんですね。
承認欲求は、「自己承認欲求」と「他者承認欲求」の2つに大きく分かれます。自己承認欲求は「自分で自分を認めたい」という欲求、他者承認欲求は、「他人から認められたい」という欲求です。いずれにしても、驚きの事実があります。それは、承認欲求を求めるほど逆効果だということです。
だから、自分を好きになりたいのであれば、自分を好きになりたいと思うのをやめる。他人から好かれたいと思うのであれば、その思いを断ち切ってみるほうがいいです。ただし、口で言うのはたやすいけれども、それを実行することは得てして難しいものですよね。だから、まずは承認欲求について極力考えないようにすることがいちばんです。
承認欲求を満たす最短ルート
考えないようにすることが、承認欲求を満たす最短ルートだと思ってください。自分にとっての自然体を探して、それを永遠とやリ続ける。これが一番の正解に他なりません。自分にとっての自然体を探すということ自体、きっと人生に充実感をもたらしてくれるでしょう。
では、自分にとっての自然体とはなにかというと、たとえば「人にどう思われようが、私はこうしていることが楽しい」ということなんです。人に認められたいとか好かれたいとか思うのではなく、逆に「人からどう思われたっていいじゃない」と割り切ることがポイントです。
別のいい方をすると「自分に素直になる」「自分の思ったことを素直に表明する」ということ。もちろん、そのことを心よく思わない人が出てくるかもしれませんが、そこは「人にどう思われてもいいじゃない」ということです。
ふり切った考え方をしてみる
もちろん、人に迷惑をかけてもいいからワガママに振る舞えばいいというわけではありません。人にどう思われてもいいとはいえ、みんなから嫌われるような行動をするということでもありません。ただ、自分や他人に認められたいという承認欲求にこだわるスタンスからすると、まずは極端にふり切った考え方をしてみるのも一手かもしれません。
とにかく承認欲求を意識しないようにすることが先決です。これは、人生のテーマみたいなものなので、延々と追い求めていい視点です。それ自体が人生に充実感をもたらしてくれるのですから。
そして、自分が夢中になれることが見つかれば、素晴らしいこと。もし、見つからなくても、追い求めていたら、それはそれで承認要求に苦しむことがなくなるのです。
※『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)には、お悩み解消のヒントが満載です。