「300SLRウーレンハウト・クーペ」はガルウイングを採用「300SLRウーレンハウト・クーペ」はガルウイングを採用 MERCEDES-BENZ

 メルセデス・ベンツ・グループのオラ・ケレニウスCEOは、次のように声明を発表しました。

「この『300SLRウーレンハウト・クーペ』こそ、スポーツカー発展の歴史においてマイルストーンと呼ぶべき名車です。現在に至るまでの当社のブランドの確立に、大きく貢献した貴重な歴史的証拠です。

 現存するこの個性際立つスポーツカーの2台のうち、その1台を競売にかける決断を下したのは慈善事業への寄与という正当な理由あってのことでした。メルセデス・ベンツ基金として、ルドルフ・ウーレンハウト(編集注:ダイムラー・ベンツ時代の伝説的技術者)の革新的な足跡をたどり、未来を支える驚くべき新技術、特に脱炭素と資源保護という人類にとって最重要な課題を支える新技術に携わる新しい才能の後押しをしたいという目標があるのです。今回そのことで史上最高額での落札となったことは特筆すべきことであり、われわれはそのことを謙虚に受け止めたいと考えています」

 これまでメルセデスが所蔵してきた2台の「300SLRウーレンハウト・クーペ」は、その生みの親である当時のチーフ・エンジニア、ルドルフ・ウーレンハウト氏が手掛けたことに由来し、その名を冠した名車です。ハードトップ仕様の「300SLR」は1955年に2台のみが製造され、ウーレンハウト氏を筆頭とするメルセデスのエンジニアチームによるレーシングカーの開発技術促進のための、重要な足掛かりとなりました。

 メルセデス・ベンツ博物館にはもう1台のオリジナル「300SLRウーレンハウト・クーペ」を含む、1886年の自動車発明の当時から今日に至るまでを彩った1100台以上の名車の数々が収蔵されています。

メルセデスのお膝元、ドイツ・シュトゥットガルトにある、メルセデス・ベンツ博物館メルセデスのお膝元、ドイツ・シュトゥットガルトにある、メルセデス・ベンツ博物館 THOMAS NIEDERMUELLER / GETTY IMAGES

Text by Sebastian Blanco and Ryutaro Hayashi
Source / CAR AND DRIVER
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です

メルセデスが世界に2台の「幻のベンツ」売却、史上最高落札額182億円の使い道は?