処女作『コピー1枚すらとれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術』が話題沸騰のShin氏。外資系コンサルティングファームのマネジャーであり、ビジネスブログ「Outward Matrix」の運営者でもある彼は、本書のタイトルにあるように、もともとド落ちこぼれだった(落ちこぼれ時代のエピソードは、連載第1回をご参考ください)。彼はいったいどうやって、たった1年で外資系コンサルティングファームのマネジャーにまで上り詰めたのか――。急成長を遂げる過程で、考えたこと、学んだこと、そして実践してきたノウハウについて、Shin氏に教えていただいた。(初出:2017年7月29日)
純ジャパが留学なしで英会話を上達させるには?
ぼくはいま、コンサルタントとして、海外案件を中心に仕事をしています。英語でメールをやりとりするといった単純なことだけでなく、英語で資料をつくったり、英語で電話会議をしたり、海外に行って同じ会社の外国人コンサルタントやクライアントとディスカッションをしたりしています。
そんなこんなで、よく日本人のお客さんからは、「Shinさんはすごいね。帰国子女? うらやましいなあ」と言われることがあります。しかしながらぼくは、帰国子女どころか、ほんの数年前までまったく英語ができない典型的な日本人でした。TOEICのスコアも普通以下、海外には数回旅行で行ったくらい、外国人に話しかけられると「ソーリー……」と言って顔を真っ赤にして逃げる――。本当にその程度の実力だったのです。
そんなぼくが最初に英語関連の仕事をしたのは、「英語での会議の議事録取り」でした。実は、その初仕事が来る前から、ぼくはそうした状況が来ることを見越して、英会話スクールに通い、教材を買って勉強していました。ですから、その仕事を振られたとき、ぼくは「ついに来たか! 待ってました!」と心の中で喜びました。ひそかに準備し、温めてきたスキルを使うときがとうとうやってきたからです。
しかし、当日……もう全然わからない。何を話しているのか、何がポイントなのか、何がToDoなのか、まったくもってわかりません。ぼくの数ヵ月の準備期間は何だったのか……落ち込むと同時に、実際に英語の仕事を体験し、「このままではダメだ」ということを痛感しました。もちろん、英会話スクールが悪いわけではありません。ただ、もともと潜在能力の高くないぼくの場合、週1~2回、1時間程度のレッスンだけでは、いつまでたっても現状は変えられないと感じました。そこでぼくは、いろいろな情報を集め、試行錯誤し、自分なりに効果のある英語勉強法を必死に模索し続けました。結果、いまでは問題なく英語で仕事をこなせるようになったのです。
みなさんの中にも、さまざまな理由で「仕事に使えるレベルまで英語力を上げたい!」と思っている人がいるでしょう。断言しますが、英語を話せるようになるための近道はありません。時間もかけず、努力もせずに英語がペラペラになるなんてことは絶対にないのです。みなさんも、そんな夢物語がないことはわかっているのではないでしょうか?
正しい方法さえあれば、きちんと努力して英語をマスターしようという気持ちはあるけれど、その「正しい方法」がわからない……。そんな状況かと思います。しかし、誰もその「正しい方法」を教えてくれません。とくに、「純ジャパが、留学なしで英語を使えるようになるための方法」は、ほとんど出回っていないのが現状です。
だから、ぼくもとても苦労しました。時間も使いましたし、お金も使いました。みなさんには、そんなぼくと同じような苦労をしてほしくありません。そこで、少しでもぼくの経験が参考になればという想いで、ぼくがどのように英語のトレーニングを重ねてきたかを紹介していきたいと思います。今回は、拙著『コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術』の中でお伝えした、ぼくが実践した5つの英語トレーニングのうちの1つを紹介します。