ウクライナ戦争の重要局面となりつつある東部の戦闘でロシア軍が主導権を取ろうとするなか、ロシア政府は通常ではありえない幾つかの場所から新兵力を確保する必要があった。ロシア政府は「特別軍事作戦」を開始して以来、平時の兵力で作戦を遂行しようとしてきた。これまでのところ、結果はまちまちだ。ロシア軍はウクライナ東部と南部で躍進したものの、首都キーウ(キエフ)制圧を狙った当初の戦闘で壊滅的な損害を被った。旧ソ連がアフガニスタンで失ったのと同程度の兵士を失ったとの見方もある。しかしロシア指導部は、戦闘可能年齢にある人々の全面的な動員を可能とする「戦争」宣言には消極的だ。戦闘の位置付けを特別軍事作戦から戦争に拡大すれば、ウラジーミル・プーチン大統領自身の命運が戦果とあまりにも密接に結び付いてしまうとアナリストらは指摘する。