人工知能(AI)が株式市場を救った。またしても。多くの投資家、さらには中央銀行関係者までもが、S&P500種指数が過去最高値を更新するのを見守りながら、原油が1バレル=100ドルという現実から株価が乖離(かいり)してしまったのではないかと懸念している。しかし問題があるとすれば、それは中東の停戦のもろさを認識できていないことだけではなく、あるいはそれが主な原因ですらない。全ては、このAIブームがバブルかどうかにかかっている。2月末に米国とイスラエルがイランへの爆撃を開始して以降、米株式市場がどのように推移してきたかについての議論でしばしば見落とされているいくつかの事実を以下に示す。・S&P500種指数構成銘柄のうち、118銘柄が10%超下落した。特に、燃料や、アルミニウムなどの原材料のコスト増に直面している企業や、農家など特に大きな打撃を受けた顧客への販売に依存している企業が目立つ。これに対し、10%超上昇した銘柄は82銘柄にとどまり、その大半はAI関連だ。