怒りたい気持ちになったときは
どうすればいいのか

 ただ年を取ると、脳における感情を司る部分が柔軟性をなくして、コントロールしづらくなる傾向は、多少あるそうです。怒りの感情が湧いたときにブレーキがかからず、むしろアクセルを踏んでしまったりするわけです。

 怒りたい気持ちになったときは、どうすればいいのでしょう。

 最もおすすめの方法は、怒りそうになったら、笑うのです。ただ笑うのではあやしい人になってしまいますから、お気をつけください。

 どういうことかといいますと、怒りそうになっている自分を客観的に見つめ、「おお、腹を立ててるぞ、ぷぷっ」と余裕綽綽(しゃくしゃく)で観察するのです。ちょっと高度かもしれませんが、私は比較的、得意です。

 それでも抑えられないときは、別のことを考えたりして、気持ちを切り替えるようにしています。ともかく引きずらない。ずっとそのことを考えていると、余計に怒りの気分が膨らんだりしますから、腹を立てている気持ちからすすっと離れるようにする。「怒っている時間なんて、もったいない。怒っているヒマがあるなら、漫談の新しいネタを練ろう」と考えるのです。

 最近は怒りをどうコントロールするかという「アンガーマネジメント」が流行っているそうです。それだけ、怒ったり、イライラしたりする人が増えているということなのでしょう。

 アンガーマネジメントでは、怒りの気分におそわれたら、すぐ反応せずにまず「1、2、3、4……」と6秒数えて気持ちを静める「6秒ルール」というのがあるようです。

 さらに、自分の怒りのレベルを10段階評価して、「この怒りは3くらいかな、この前のときは7だったから、そんなに怒ることもないや」といったふうに、腹立ちの感情を相対的に見るようにするそうです。

 確かに、気持ちを落ち着かせるために数字をかぞえたり、客観的に怒っている自分を10段階で評価したりするというのは、いい方法かもしれません。